Message
教授からのメッセージ

 研究とは、未踏の荒野をひとり進むことである。研究とは、誰もが気にしていないことに大きな価値を見出すことである。研究とは、気が狂っていると言われることを目指すものである。そして、研究を行う者とは、このような奇妙なことに大きな喜びを感じる人のことである。

 臓器移植は、20世紀を代表する先進医療開発の大成功事例である。死の淵にある臓器不全患者にスッと手を差し伸べ、グイッとこの世に引き戻す素晴らしい治療効果を有している。しかしながら、ドナー臓器の決定的な不足という根源的な課題に直面しており、抜本的な解決策の提示が強く求められている。

 当研究室は、ヒトiPS細胞を駆使して、「臓器」を創り出すことを目標としている。すなわち、異なった種類の様々な細胞を作製し、三次元的な立体構造を有する機能的な「臓器」を人為的に創出することを目指している。近い将来、治療用のヒト臓器を工業的に生産し、次々と医療現場に供給することができるようになれば素晴らしいと思いませんか?このような革新的な工場が、宇宙空間に存在しても良いと思いませんか?再生医療の開発が目指しているのは、アンシャンレジームAncien regimeの破壊による新たな未来の創造なのです。

 夢なき者 理想無し
 理想なき者 目標無し
 目標なき者 実行無し
 実行なき者 成果無し
 成果なき者 喜び無し
 喜びなき者 ここ去れ     詠み人不知

(江戸時代晩期、旧体制の破壊を目指し狂ったように生き、そして死した、ひとりの男が長州にいた。明治維新を創造した吉田松陰である。松陰先生の詩歌を勝手ながら改変させていただいた。)

谷口 英樹

メンバー
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News
ニュース

2025.03.21

テクニシャンの論文が発表されました
Protocol for generating a pancreatic cancer organoid associated with heterogeneous tumor microenvironment

2025.03.21

東京大学New Yorkオフィスにて行われる一般向けイベント ~Cutting-edge medical science -from basic research to clinical applications~ にて、教授の谷口英樹先生が講演します
Development of innovative regenerative therapies for liver disease using human iPS cells. Hideki TANIGUCHI [IMSUT] English Page

2025.03.17

修士課程の青島研治くんが、Spring GX (JST次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING) 東京大学「グリーントランスフォーメーション(GX)を先導する高度人材育成)に採択されました
Kenji AOSHIMA has been accepted as a project fellow of SPRING-GX.

2025.03.16

客員研究員の久世祥己さんの論文が発表されました
Placenta-derived factors contribute to human iPSC-liver organoid growth
プレスリリース(日本語) "胎盤由来因子"を活用することにより ヒトiPS細胞由来のミニ肝臓を成長させることに成功! ――ヒト臓器創出技術への応用に期待――

2025.02.10

博士課程のYoshihito HAYASHIさんが、令和6年度メディカル情報生命専攻ERA (Excellent Research Award) 賞博士優秀賞を受賞しました。
Yoshihito HAYASHI (PhD student) won the ERA (Excellent Research Award).

2025.01.27

博士課程のYoshihito HAYASHIさんとRiana Plummerさんの研究が、メディカル情報生命専攻の "博士優秀論文" に選出されました。

2024.12.21

修士課程の青嶋研治くんが第33回日本肝臓医生物学会(プロメテウスの会)で発表します

2024.11.29

客員研究員の田所友美先生(横浜市大助教)が、11月29日の第47回日本分子生物学会年会@福岡 のシンポジウム「宇宙ライフサイエンス実験の最新成果」で発表しました
Advances in the technology for Human Organ Generation in the Microgravity of Space. 「微小重力がもたらすヒト臓器創出の新展開:宇宙実験の最新成果」

2024.11.17

客員研究員の田所友美先生(横浜市大助教)の論文が発表されました
Optimizing cell migration assays: Critical roles of fluorescent labeling and chemoattractant gradients